ラ・ソヴァージュ ーノンという女ー

4月12日 於:四季劇場・秋

「ラ・ソヴァージュ」作品解説はここ!

ねこ@松戸です。

ああ、幸せってなんだろうなあ…。
やっぱりストリートプレイは難しいっす^^;)

ただ…難しいんだけど、「わっかんねーやっ」で終わらないのが、この
舞台のすごいところだったんじゃないかなあ…って気がします。
今回、「難しいなあ…」と思いつつ、とにかく電車の中の1時間強、意味を
考えて考えて考えて…ようやく感想がまとまった…気がする…
やっぱりいざ書き出すと、何書いていいのかわかんないや。

う〜ん…こんなに観劇レポを書くのに、まじめに書き出すのって、私は初めてじゃな
いか?

以下、とんでもなく長文+ネタばれです。明日は楽ですから、なーんにも考えないで
書きます。読みたくない人は削除しちゃってくださいね。

で、「テレーズは、結局純潔なのか?」というところから考えますが…
そう言うわけでもなかったような気がします。
今時、テレーズのような人はいないって、パンフにも書いてあったけど、
確かにそっくりそのまんま、単純に「大金持ちとの結婚!」と聞いてそれを
拒んでしまう人はいないと思います。

最初、私はこのテレーズの拒み方が許せなくて許せなくて、
「お金が欲しいのよ!!」と床のお金を拾い出すシーンでは、
今思い出してもかなり強烈なシーンなんだけど、あの時は一瞬「ほっ」として
しまいました。
ああテレーズ、あなたにも「普通の人間」っぽいところがあったのねーと。

が、2幕、3幕と続いていくうちに、なぜテレーズが幸福の絶頂にいたにもかかわら
ず、
フローランを拒んだのか、そしてなぜフローランは、テレーズを素直に
自分のもとにおいてやる事ができなかったのか、わかる気がしました。
↑あくまでも、私から見た推測ですけど…。

もし、私が自分のからだを売らなければいけないほど貧しかったとしたら、
偶然フローランって人を好きになって、その人が大金持ちで、何でもかんでも
自分の思い通りになるとしたら、ものすごく、自分が怖くなると思います。

それは、中途半端に貧しいんじゃなくて、もうほんとに「金のためなら、
なんだってやってやるわ!」という世界。当然、自分の周りにいた人は恥も
外聞も省みないでお金をせびってくるだろうし、フローランの完璧さを知るほど、
「私は今までこんなにいやらしい事ばかりしてきたのに…」って、「私って
こんな人間よお!こんな女と結婚するなんて嫌でしょう?」と、今までの醜聞を
さらけ出したくなってしまう気持ちが、わからないでもないような気が
してきました。

なぜ、「今時テレーズのような人はいない」のか考えると、今時からだを
売らなきゃ生活できないような貧しい人はそうそういないからで、わかりやすく
考えると、うちが貧乏で公立の高校にもいかせてもらえなかった
人が、いきなり皇室の人に見初められたからと言って、素直に大喜びできない…
と同じような…う〜ん、違うかなあ?

それでせっかく幸福になろうと決心したときにテレーズが「野良犬」と
いった人が入ってくる。それでまた昔を思い出させてしまう。
嫌だろうなと思います。私も、結婚した今でも、昔勤めていたデパートで
よく流れていたCMの曲が流れると、いびられて嫌な思いばかりして事を思い出して
発狂しそうになる(まじで)。
それが、フローランにはわかってもらえない。
結局、テレーズはフローランと結婚したのか、すごーく気になるところ
なんですけど、そこから先は、個人でお考え下さい…ってところなんでしょうか。

見てるほうが「難しい」って思うということは、やっている方はもっと難しいわけ
で、
今までは「歌」のイメージが強かった野村さんと石丸さんが、歌のない芝居を
見て、光り輝いて見えました。特に野村さん。横の人がしきりに「あんなに
長いせりふばっかりで、止まったら終わりよね」って言ってましたが、せりふも
そうだし、迫力がものすごかった。あの「お金が欲しいのよ!」は、相当頭に
こびりついていると思います。もうすぐ李香蘭ですが…う〜ん、ちゃんと頭が
切り替わるかなあ。

で、石丸さんは見終わった直後は、「ルックスがよくて才能があって
大金持ちでも、女の子のハートがなんにもわからないんじゃ、少なくとも
私はほれないわ!」と思っていたのですが、なんかもう、悔しいくらいに
「完璧人間のフローラン様」&「違いのわかる男」「上質を知る人」で、
これで歌なんか歌われちゃったらもう、たまりませんね♪って感じかも…。
ひえ〜、なんか悔しいぞ(爆)。

私の好み的なことをいっちゃうと、私の場合、フローランよりゴスタなんですが(へ
?)、
早川さん、とってもカッコよかったですう!LKのムファサといい、ゴスタといい、
やっぱり演技派なんだなあ…と溶けてしまいそうでした♪

あと、マダム・タルドの丹さんも、もし私がテレーズだったら嫌な存在だけど、
なんか憎めなくってよいです。すごくあってるっていったら失礼かもしれないけど、
丹さんならではの「マダム・タルド」。よいです。

あと、松宮さんは、もう落ち着いちゃった役しか見られないと思っていたのに、
けっこう明るくて人間くさいところが見えて、とっても得した気分になりました。

ばかばかしいくらい明るいものばっかり見ていた私が、友人の誘いで
「ファントム」を見て、重い作品に目覚めてから早1年半。そんなに期待して
いなかったのですが、本当に見てよかったと思える作品でした。
明日は千秋楽で、「大変だ!チケット取らなきゃ!」と思うほどでは
ないんですが、早いうちにまた再演して欲しいです。
っていうか、早く全国の人に、この作品を見て欲しいと思った1日でした(^^)。

ではこのへんで!


    ねこ =^. .^=

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